オーロラ

間違いだらけ?正しい過去問の使い方(一次試験編)

間違った過去問の使い方

 

過去問は最良のテキストとよく言われますが、使い方を間違えると効果が半減してしまいます。

こんな使い方していませんか?

思い当たる受験生は要注意です。

 

【間違った過去問の使い方】

・過去問を解く→採点する→「6割を超えた!大丈夫だ!」

・テキストを完了!→過去問を始めよう

・今日は平成30年~平成26年の過去問を解こう!

・「本番までに○周解く予定!」

・「過去問を解こう(1問目から順番に)」

 

 

正しい過去問の使い方

 

 

1.過去問は採点しない

・中小企業診断士試験は受験年度によって科目毎の難易度が大きく変動します。

 

科目別合格率で

最低は2.1%(平成25年度経済学・経済政策)

最高は51.8%(平成25年度経営情報システム)

です。

 

過去問の得点と理解度はイコールではありません。

 

重要なのは過去問で何点取れたかではなく、どの程度理解できているか、弱点は何かを確認し、本番で合格することです。

 

過去問は取捨選択して取り組もう

・中小企業診断士試験は、基本的には7科目の合計得点で合否を判断します。

・得点を調整するため、毎年多くの受験生が正答できないであろう難問が各科目で数問出題されています。

 

難問については取り組む必要はありません。

・今後、同じ論点が再度出題される可能性は極めて低いですし、多くの受験生が正答できない問題ですので、合否に影響を与えません。

 

対策に時間が掛かったり、重要論点が疎かになったりと良いことが何一つありません。

 

取捨選択する目安

・出版社によって表現は異なると思いますが、正答率が30%以下もしくはCランク(重要度最低ランク)の問題は解く必要はありません

 

余力があったとしても、見る必要はないです。その時間は二次試験対策に充てましょう。

 

それでも不安になってしまうという方へ

・ひょっとしたらまた出題されるかもしれない。

・合否を分ける問題になるかもしれない。

・全部見ておかないと不安。

 

という方は、テキストに載っているかいないかで判断すると良いと思います

テキストの端の方に小さく書いてある、若しくはそもそも載ってない論点についてはさすがに捨てましょう。

 

他の受験生も同じテキストを使っているわけですから、合否には全く影響を与えません。

 

2.過去問は一気に解かない

・一通りテキストを終わらせてから過去問に取り組もうとすると、過去問を始めるまで2~3週間は掛かってしまいますよね。

・2~3週間時間が空くと8割近く記憶が失われている可能性があります。

 

関連記事

記憶は一日で66%消える「エビングハウスの忘却曲線」をご存知でしょうか。ドイツ人心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した研究結果で、これによると、人の記憶は以下の割合で消えていきます。 20分後:[…]

忘却曲線

 

・テキストを一通り解いてから過去問を解いても、単元毎に過去問を解いても合計時間は同じです。であればより記憶に残りやすい方法を選んだ方が効率良いですよね?

 

1単元が終わったらその範囲の過去問を解くというプロセスを習慣化しましょう。
(そういった意味で、単元毎に過去の出題実績が掲載されているテキストは使いやすいと思います。)

 

3.「解ける」と「理解」

 

過去問学習の際、何を以って出来たとしていますか?

 

正しい選択肢を選べたらその設問が出来たとしていませんか?

 

例えば、ア~エのうち、間違った選択肢を選ぶ問題があるとします。

ア:これは確実に正しい。
イ:多分合っている。
ウ:これは数字が違う気がする
エ:保留

解答:ウ(正解)

 

これで出来たとして次の設問に進んでしまっていませんか?

確かに正答は導き出せていますので、「解けて」はいます。が、「理解」はできていない状態です。

これは一気に過去問を解いて採点をするという学習方法を取っている方に多い傾向なのですが、それだと過去問学習の効果が半減してしまいます。

 

同じ設問は二度と出ない

・もちろん同じ論点が問われることは多々ありますが、全く同じ設問が出るということはあり得ません

・しっかりと「理解」できていないと、少し数字が変わったら、問われ方が変わったら全く太刀打ちが出来なくなってしまいます。

 

選択肢を吟味する

 

過去問学習で重要なのは、選択肢を吟味し、理解度を確認していくということです。

 

【正しい選択肢の場合】

正しい選択肢だと読み流してしまいがちですが、自分が数字を覚えていたか、内容を完璧に理解していたかということを確認します。

 

【誤った選択肢の場合】

誤った選択肢の場合には、どこが間違っているか、正しい内容、数字は何か分かるかということを確認します。

 

全ての選択肢について理解できている状態が、その設問が「出来た」ということです。

お勧めの過去問の使い方

 

 

過去問の使い方

 

①問題の取捨選択をする

・まずは正答率を確認し、30%未満の設問については消してしまいます。

・各設問に正答率を書いておくと、絶対に落とせない問題はどれかということが直感的に分かるのでお勧めです。

 

②選択肢を吟味

・選択肢毎に理解度を確認し、理解しているものに関してはチェック【✔】を付けます。

・日付を入れているのは復習のタイミングを分かりやすくするためです。

 

③理解できていない選択肢を再チェック

・時間を空けて(私は1週間毎を目安にしていました。)、理解できていない選択肢を再度確認します。

・既にチェックがついている選択肢は、時間短縮のため飛ばしてしまって構いませんが、完全に見ないと忘れてしまう可能性もあるので、5回に1回くらいは確認するようにしましょう

 

④設問が出来たタイミング

・全部の選択肢にチェックがついたら、その設問が出来たとして、設問自体にチェックを入れておきます。

 

⑤自分の弱点を見つける

・②~③を何度か繰り替えしてもチェックがなかなかつかない選択肢は自分にとっての弱点です。

・試験直前期の重要復習論点として選択肢に【★】をしておきます。

 

⑥試験直前期に再チェック

・受験直前期になったら★を中心に一通り確認しましょう。

 

一見時間が掛かりそうですが、なれると機械的にできますし、何より、一気に解いて得点に一喜一憂するよりもはるかに効率的で効果的です。

 

参考になれば幸いです。

試験頑張ってください!