一次試験3つの科目別タイプ

一次試験は3つの科目別「タイプ」に合わせた学習をしよう

皆さんは全科目を同じように勉強していませんか?
一次試験は7科目あります。
全科目を同じように学習していても効果的な学習はできませんし合格は掴み取れません。
各科目の「タイプ」を知って、「タイプ」毎の効果的な学習をすることが重要です。

今回は一次試験7科目のタイプと、各タイプの効果的な学習方法を解説していきます。

一次試験7科目は3つのタイプに分かれる

一次試験7科目は3つのタイプに分かれます。

①暗記型
②積み重ね型
③理解×応用型
です。

 

それぞれのタイプの概要と注意点を確認していきましょう。

①暗記型

・文字通り暗記が学習の中心になる科目です。
「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」の4科目が該当します。

暗記型科目の特徴

暗記型

・暗記型科目の出題内容は、頻出論点や基礎論点等の重要論点とそれ以外の周辺論点で構成されます。

・重要論点をしっかりと押さえれば6割ラインを超えることができます。

重要論点の取り組み方が合否に直結します

・周辺論点はあくまでも+αであり、合否には直結しません

時間が無い場合、直前期に重要論点を詰め込むような学習方法でも6割ラインを超えられる可能性があります。

暗記型科目の注意点

記憶のドーナツ化現象に要注意

記憶のドーナツ化現象

・暗記型科目は記憶のドーナツ化現象に注意しましょう。

・ある程度学習が進んでくると、それまで見たことが無かった論点や難問(=周辺論点)の学習に注力してしまいがちです。
周辺論点ばかりに時間と労力をかけてしまい、肝心の重要論点がおろそかになってしまうこと記憶のドーナツ化現象と呼びます。
試験の直前期(1科目あたりラスト10~15時間くらい)は学習範囲を拡げるのはやめて、ひたすら重要論点の復習に注力するようにしましょう

暗記型科目の学習方法

・学習すべきはとにかく重要論点です。

・まずは中心の重要論点を完璧に押さえ、その上で論点の輪を外(=周辺論点)に広げて行くイメージを忘れないようにしましょう。

マーカ塗りつぶし勉強法が効果的

・暗記型科目は、マーカー塗りつぶし勉強法が効果的です。

①重要論点専用のマーカーの色を決めましょう。
②テキストや過去問のうち、重要論点だけをその色で塗りつぶします。
※文章ではなくてキーワード単位の方が復習しやすくお勧めです。
③学習を始める際は必ず1ページ目からめくっていき、その色で塗りつぶされたキーワードをチェックしていきます。
④キーワードが目に入った瞬間に意味を説明できない場合は、そこで立ち止まって復習をしてから新しい論点に進むようにしましょう。

 

②積み重ね型

・積み重ね型の科目としては、「経済学・経済政策」「財務・会計」の2科目が該当します。

積み重ね型科目の特徴

積み重ね型の特徴

・積み重ね型科目の特徴は積み木のように論点を一つ一つ積み重ねていくことにあります。

・一つ一つ論点を着実に積み重ねることにより6割ラインを超えることができます。

・前の論点が分かって初めて次の論点が理解できるというように、連続性があります。

日々の積み重ねが重要ですので、暗記型科目と違って直前期の詰め込みで6割ラインを超えることは困難です。

積み重ね型科目の注意点

・積み重ね型科目は、論点を一つ一つ積み重ねていきますので、その前提となる論点が理解できていないと、同じ学習量、学習時間をかけても6割ラインに到達することはできません。

積み重ね型の注意点

 

 

積み重ね型科目の学習方法

その都度完璧な理解をする

・積み重ね型科目の場合には、理解が不十分な論点を放置して次に進むと、次の論点も良く分からなくなるという悪循環がしばしばおきます。

・積み重ね型科目は、都度、完璧に理解することを心掛けましょう。

 

理解できないところは必ずチェックしておく

・学習した段階でその論点を完璧に理解することが望ましいですが、時にはどれだけ考えても分からないということがあります。

・そこで何時間もかけるというのも勿体ないので、次の論点に進むということも「あり」です。

学習を進めていったら分からなかった論点が理解できたということは往々にしてあります。
・但し、分からない論点があった場合には、付箋をつけておく等、分かるようにしておき、必ず後で確認をするようにしましょう。
分からない論点をそのままにしておくのは絶対に駄目です。

 

経済学・経済政策は流れを押さえる

・経済学・経済政策は、流れを押さえることが重要です。

・グラフを書きながら覚えていく学習が効果的です。

※詳細はこちらの記事をご確認ください。

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財務・会計は演習あるのみ

・財務・会計は兎にも角にも演習あるのみです。

毎日最低でも1問は解くクセを早く身に付けましょう。

※詳細はこちらの記事をご確認ください。

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③理解×応用型

・理解×応用型は、知識があることを前提に、その知識を応用して正答を導きだす科目です。

・「企業経営理論」が該当します。

理解×応用型科目の特徴

理解応用型の特徴

 

・理解×応用型の最大の特徴は、応用力を強く求められることにあります。

・この理解×応用力は二次試験でも求められる重要なスキルです。

二次試験対策として企業経営理論が重視されるのは、内容が直結することに加えて、このスキルが重要であることにも由来します。

理解×応用型科目の注意点

理解応用型の注意点

理解×応用型科目はテキストの内容を理解していたとしても、それを応用することができなければ6割ラインに到達できません。

単にテキストの内容を丸暗記するだけではなく、「自分の言葉」で、「具体例」を出しながら、「他人に説明」できるレベルまで仕上げる必要があります。

 

理解×応用型科目の学習方法

過去問は「解く」ではなく「読む」

・覚えた知識がどのように出題されるかを学ぶための最良の教材は過去問です。

・なるべく早い時期から過去問に取り組みましょう。

過去問は「解く」のではなく「読む」ことが重要です。

・理解×応用型科目(企業経営理論)では毎年同じような論点が出題されますが、同じように出題されることは殆どありません。

・暗記型科目とは違い、正しい解答を覚えたとしても、本番で正答できるとは限りません。

・過去問はテキストの延長として「読む」ことを理解しましょう。「解く」必要はありません。

学習を始めてすぐの段階では殆んど解けないと思いますし、悩んでいる時間が勿体ないです。

 

普段の生活に重ねること

・理解×応用型科目(企業経営理論)の学習内容は、多くが皆さんの普段の生活と密接に関係する内容だと思います。

・学習した内容を皆さんの普段の生活と重ね合わせて考えるクセを付けましょう。

例えば、皆さんの会社の組織形態を考えてみましょう。
①組織形態は何でしょうか?(機能別組織でしょうか事業部制組織でしょうかそれ以外でしょうか)
②各組織形態のメリット、デメリットはなんでしょうか?
③各組織形態で起こりやすい問題はなんでしょうか?
④皆さんのの会社では実際にどのような問題が起きていますか?
⑤問題に対処するための方法はなんでしょうか?
⑥皆さんの会社ではどのような対策をしていますか?
といった具合です。
・慣れてきたらニュースや日常の会話で耳にした内容にも応用してみましょう。
これは一次試験対策だけではなく、一次知識を活用して、現状(与件文)分析を行い、解決策を具体的に解答するという二次試験のとても良い訓練になります。
経営戦略論はメリット、デメリットを意識すること

・特に経営戦略の分野を学習する際には、メリット、デメリットを意識することを心掛けましょう。

・二次試験では、解答の「切り口」が重要になります。

・メリット、デメリットを意識した学習を行うと、理解にも繋がりますし、二次試験対策にもなります。是非実践してみてください。

早めに二次試験の問題を確認する

・早い段階で二次試験問題(特に事例1、2)を確認し、どのように応用されているか、解答にはどのような一次知識が必要かということを確認しましょう。

 

各科目のタイプをしっかりと押さえて、効果的な学習を進めましょう
以上、参考になれば幸いです。