合格率

年代別合格率 最も合格率が高い年代は?

中小企業診断士試験では、統計資料として、毎年、年代別の申込者数、合格者数が発表されています。

今回は、統計資料を基に年代別の合格率を確認していきましょう。

 

一次試験の年代別合格率

まずは、2018年度の統計資料をもとに、一次試験の年代別合格率を確認していきます。

 

【2018年度一次試験 年代別合格率】
※出典:中小企業診断協会発表資料を加工

年代申込者数(人)合格者数(人)合格率
20歳未満9644.2%
20代299943914.6%
30代6376106016.6%
40代6057102717.0%
50代352657016.2%
60代94912813.5%
70歳以上11387.1%
合計20,1163,23616.1%

 

一次試験の合格率が最も高いのは40代

一次試験の合格率が最も高いのは40代です。

資格試験というと、学生が含まれる20代や30代の合格率が高いイメージがあるので意外な結果でした。

 

経営者に求められる知識の出題が多い

中小企業診断士試験では「経営法務」、「財務会計」、「企業経営理論」といった経営者に求められる知識を問われる科目が複数あります。

年代が上の方は既にそういった知識を習得している可能性が高く、アドバンテージを活かせるものと思われます。

 

再チャレンジの受験生が多い?

後述しますが、40代以降の方の二次試験合格率は顕著に低下します。

何度も一次試験を受験している受験生が多いという可能性があります。

 

社会人が目指せる資格

科目合格制度等もあり、社会人が目指せる資格、社会人に人気がある資格を体現しているとも言えます。

 

一次試験は年代別のばらつきは殆どない

20歳未満、70歳以上は母数が少なく参考になりませんので、それ以外を比較すると、最高の17.0%(40代)と最低の13.5%(60代)の差は3.5%とあまりばらつきが無いことが分かります。

 

二次試験の年代別合格率

次に二次試験の年代別の合格率を見ていきましょう。

こちらも2018年度の統計資料をもとにしています。

【2018年度二次試験 年代別合格率】
※出典:中小企業診断協会発表資料を加工

年代申込者数(人)合格者数(人)合格率
20歳未満2150.0%
20代53311621.8%
30代157637023.5%
40代158726416.6%
50代99612712.8%
60代2622710.3%
70歳以上2200.0%
合計4,97890518.2%

 

一次試験の合格率が最も高いのは30代

二次試験の合格率が最も高いのは30代です。

 

二次試験は年代別のばらつきが大きい

こちらも母数が少ない20歳未満と70歳以上を除くと、最高は23.5%(30代)、最低は10.3%(60代)です。

一次試験の場合は殆ど年代別の差がありませんでしたが、二次試験になると倍以上差があることが分かります。

 

40代以降の合格率の低下が顕著

特に、40代、50代と年代が上がるにつれて合格率が顕著に下がっていくのが分かります。

 

年代が上がると合格率が下がるのはなぜか

40代以降の合格率が低下しているのなぜでしょうか?

二次試験は一次試験に比べると暗記は圧倒的に減りますので、記憶力が原因とは考えられません。

社会人であろう30代が最高合格率であることを考慮すると、学習時間が取れないということも原因とは考えづらいです。

 

経験が多いことが原因?

考えられるのは、既に社会人、経営者としての経験が多いことです。

二次試験は一言で表すと、「経営難に陥った事例企業に対し、中小企業診断士として適切な助言をできるか。」です。

この“中小企業診断士として”というところがポイントです。

中小企業診断士としての解答を求められているのであって、受験者の経験や考えを聞かれているわけではありません。

社会人経験が多い40代以降の方は、既にご自身の考え方が確立されており、中小企業診断士としての解答が難しいのではないでしょうか。

 

傾向を踏まえて学習しよう

一次試験では殆ど合格率の差が無かったのに、二次試験で大きく差が出る。という傾向を踏まえて学習をしましょう。

 

20代、30代の方は一次試験を突破すれば4人に1人は合格できる!しかもチャンスが2回ある!とポジティブに捉えて学習を進めましょう。

 

40代以降の方は、自分の意見を書きすぎる傾向があるかもしれない。問われているのはあくまでも中小企業診断士としての解答ということを強く意識して、他の同世代の方に差をつけましょう!

3割以上は二次試験2回目

ちなみに、2018年度の二次試験受験者数は4,978人ですが、一次試験の合格者数は3,236人ですので、二次試験受験者の約35%にあたる1,742人が二次試験2回目の受験生だと思われます。

3割以上の受験生は二次試験の対策だけを1年間続けてきた方たちです。
その中で合格率10%代の狭き門を突破する必要があります。
中小企業診断士の難易度の高さを伺わせます。

ストレート合格率は?

参考に2018年度中小企業診断士試験をストレートで突破した割合を年代別に確認しましょう。(単純に一次試験合格率×二次試験合格率で求めていますので若干の誤差はあると思います。)

 

【2018年度中小企業診断士試験 年代別ストレート合格率】

年代合格率
20歳未満2.1%
20代3.2%
30代3.9%
40代2.8%
50代2.1%
60代1.4%
70歳以上0.0%

 

最高でも30代の3.9%です。

ストレートで合格するというのはかなりの難関ですね…。

 

参考になれば幸いです。

試験勉強頑張ってください!