ふぞろい

ふぞろいシリーズの採点はどの程度正確か?実際の得点との比較

ふぞろいシリーズ

中小企業診断士二次試験対策として多くの受験生が愛用する「ふぞろいシリーズ」

毎年、受験生の再現答案と得点開示の結果を分析し、独自の採点基準を公表しています。

私が受験した平成30年度二次試験を分析した「ふぞろいな合格答案12」が発売されましたので、採点を行い、ふぞろいシリーズの採点はどの程度正確か検証してみたいと思います。

※再現答案の横に記載している数字がふぞろいによる採点です。内容に踏み込んでしまいますので、詳細は記載していません。より詳しく知りたいという方は本書を購入して確認してみてください。

2019年版 ふぞろいな合格答案 (エピソード12) [ ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム ]

価格:2,592円

 

事例1

・それでは事例1から採点していきたいと思います。

・事例1の得点は70点でした。

・解答プロセス等詳細については以下の記事を参考にしてください。

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平成30年度事例3再現答案

第1問(配点20点)

理由は、大手との競合を回避する為である。A社は、ニッチな市場に対し、A社の強みである技術力(6)を活かした製品を提供する、ミニリーダー戦略を採用することにより、大手と差別化(6)を図り、競争を回避(4)している。
ふぞろいによる採点結果:16点/20点

第2問(設問1)(配点20点)

理由は、自社の技術力の向上に特化する為である。人員の約9割を技術者が占め(6)販売営業機能を持たない(3)A社は、顧客接点がなく効果的な製品開発を行うことが難しい(5)為、技術力の向上に特化(2)し、他社と差別化を図った
ふぞろいによる採点結果:16点/20点

第2問(設問2)(配点20点)

違いは、従来製品が販売した時点で取引が完了する(3)売切り型(4)で、環境変化に影響され易いという事業特性であるのに対し、複写機関連製品は消耗品(3)継続供給(4)することにより安定した収益を得られる(3)事業特性という点である。
ふぞろいによる採点結果:17点/20点

第3問(配点20点)

目的は、A社の戦略に沿った組織に改編する為である。異なる専門知識を持った従業員を混成で配置(4)することにより、連携を強め(3)、新たなアイディアの創出や知識の向上などのシナジーを発揮(4)させようとした。
ふぞろいによる採点結果:11点/20点
・部門長を役員にすることによって意思決定を迅速に行えるという観点が抜けてしまっていた為、大きな失点に繋がったようです。
・100字という解答制限の中で、混成チームにした目的と部門長を役員に兼務させたことの両方の観点を盛り込む必要があり、難問だったようです。

第4問(配点20点)

社員のモラールと能力の向上(3)に資する施策を行うべきである。具体的には、①外部研究機関や大学への研修派遣(3)による知識、技術力の向上(3)、②新製品提案制度の導入(2)、③研究開発に関する大幅な権限の移譲(4)等が考えられる。
ふぞろいによる採点結果:15点/20点
合計:75点/100点(実際の得点:70点)

事例2

・次は事例2です。
・実際の得点は83点でした。
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平成30年度事例3再現答案

第1問(配点25点)

B社の顧客は昔なじみのビジネス客8割、インバウンド客2割である。ビジネス客は減少傾向であり、インバウンド客は増加傾向(8)である。競合は、B社から距離の離れた駅前にチェーン系ビジネスホテルが2軒あるが、市街地中心部には競合はいない(8)。自社は老朽化(2)しているが、文化や歴史(3)を感じられ、英語対応可能(3)な従業員がいる。
ふぞろいによる採点結果:23点/25点
・顧客、競合に関しては加点キーワードが多く盛り込まれていた為、全体でMAX得点(各8点)としました。

第2問(配点25点)

和の風情を求める(2)インバウンド客(6)に対し、①B社の歴史と②立地の良さを外国語で(3)発信する。具体的には、①和の風情がある苔むした庭園(3)、海外で著名な作家や芸術家が残した美術品(3)、②市街地や空港へのアクセス(1)である。
ふぞろいによる採点結果:18点/25点

第3問(配点25点)

インバウンド客(1)に対し、①B社の美術品や歴史(2)、X市のお勧めの観光地(3)や写真映えするスイーツ(3)外国語で案内する(3)。②日本の伝統を感じられる食器、食事(1)を提供し説明する。③記念撮影を手伝いSNS投稿を促す(2)。である。
ふぞろいによる採点結果:15点/25点

第4問(配点25点)

宿泊と観光をセットにした(2)パッケージツアーを実施する。具体的には、地域ボランティアと連携し、山車引き体験の案内や、美術館、劇場といった名刹・古刹を巡り(7)、B社とX市の歴史と魅力を伝えるプランを提供する。
ふぞろいによる採点結果:9点/25点
合計:65点/100点(実際の得点:83点)

事例3

・実際の得点は71点でした。

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平成30年度事例3再現答案

設問1(配点20点)

理由は、①金型内製化(3)による一貫生産体制の構築(2)加工技術力の強化(4)を通じたコスト低減ノウハウの蓄積(3)、②工業団地内(2)技術交流会や共同受注・開発等の協力関係(2)の構築である。
ふぞろいによる採点結果:16点/20点

設問2(配点20点)

問題点は、①作業者、成型機の(2)待ち時間が多い(3)こと、②金型や材料の移動時間が多く、段取り作業に要する時間が長い(3)ことである。改善策は、①成型機1稼働中に成型機2の段取り作業を実施する等、加工順序の変更(2)による待ち時間の削減(2)、②5Sの徹底(1)である。

ふぞろいによる採点結果:13点/20点

設問3(配点20点)

問題点は、効率重視の生産ロットサイズ(4)により、欠品の恐れや過剰在庫(2)が発生していることである。改善策は、①現品管理(1)を行い、受注量と在庫水準に応じた生産ロットサイズ(3)とすること、②設備稼働状況や受注状況に応じて柔軟に生産計画を変更(3)することである。

ふぞろいによる採点結果:13点/20点

設問4(配点20点)

事前に整備しておくべき内容は、①支給品も含めた金型や材料の統一した識別コードを作成(6)すること、②金型の保管場所(5)材料の納品場所を明確にし(3)、保管した棚番と識別コードと紐づけること、③5Sを徹底(2)し、段取り時間を短縮することである。

ふぞろいによる採点結果:16点/20点

設問5(配点20点)

戦略は、国内回帰傾向の顧客(2)に対し、C社が持つインサート成形などの高い技術力(2)コスト削減(2)工程数(2)納期短縮(2)のノウハウを活用した提案を、工業団地内の電気・電子部品関連中小企業と連携して(2)行うことで、他社と差別化(3)を図り、受注量を増加させることである。
ふぞろいによる採点結果:15点/20点
合計:73点/100点(実際の得点:71点)

事例4

・最後に事例4です。

・色々と事故があって散々な結果でしたが、部分点をかなり貰えていたようです。

・実際の得点は59点でした。

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今回は私が受験した平成30年度二次試験事例4の再現答案を掲載させて頂きます。他の事例についても再現答案を掲載していますが、事例4に関しては、他の事例と掲載した目的が異なります。事例1~事例3の再現答案を掲載した目的は主に[…]

平成30年度事例3再現答案

第1問(設問1)(配点12点)

自己資本比率(2)35.59%(2)
売上高営業利益率(2)1.20%(2)
有形固定資産回転率(2)17.08回(2)
ふぞろいによる採点結果:12点/12点

第1問(設問2)(配点12点)

安全性は高い(1)が、外注費等により収益性が低下(3)し、経営資本を有効活用できていない(2)ことが課題である。

ふぞろいによる採点結果:6点/12点

第2問(設問1)(配点10点)

8%×179/503+1%×324/503*(1-0.3)=3.297…(3)3.30(%)(2)
②CF/3.30%(1)=(190(2)-138)、CF=1.716≒1.72(百万円)

ふぞろいによる採点結果:8点/10点

・②は結論の数字は間違っていますが、部分点が貰えています。

第2問(設問2)(配点15点)

(a)、(b)(1-30%)(2)×(400-395-1)(3)+1=3.80(5)(百万円)
(c)間違っているので詳細は省略しますが、先ほど求めた要求CF1.72百万円と比較して3.80百万円CFが増加しているから(1)企業価値は向上したという内容を記載しました。

ふぞろいによる採点結果:11点/15点

第2問(設問3)(配点6点)

(a)32.93%
(b)成長率をgとする。3.8(1)/(3.3%(1)-g)=52 g=32.926…≒32.93%

ふぞろいによる採点結果:2点/6点

・これも結論の数字は間違っていますが、部分点を貰えています。

第3問(設問1)(配点10点)

①(782×7%+1,047)/(1,503+550)=53.664・・・≒53.66(%)
②売上高:1,503+550=2,053
変動費:2,053×53.66%=1,101.6398
固定費:438+34=472(1)
営業利益:2,053-1,101.6398-472=479.3602≒479(1)(百万円)

ふぞろいによる採点結果:2点/10点

・結論は完全に間違っていますが、計算の考え方は分かっているということで部分点を貰えています。

第3問(設問2)(配点10点)

固定資産への投資規模は相対的に小さい。(5)売上高の上昇に比べ変動費の増加が少ないため、費用構造は固定費が相対的に小さくなる。

ふぞろいによる採点結果:5点/10点

・こちらも部分点を取れています。結論と説明が真逆の内容になっていますが良いのでしょうか…?

第3問(設問3)(配点10点)

営業拠点の開設により、営業レバレッジは約25倍から約2倍に変化する。開設を続けると(3)売上高に対する営業利益は減少していく(3)

ふぞろいによる採点結果:6点/10点

第4問(配点15点)

協力個人事業主等が、D社の求めるサービス水準に達していない場合(4)に悪影響を及ぼす可能性がある。方策は、協力個人事業主等の確保(4)育成の強化(4)である。

ふぞろいによる採点結果:12点/15点

合計:64点/100点(実際の得点:59点)

ふぞろいによる採点結果と実際の得点の比較

・まとめると以下の通りです。

科目実際の得点ふぞろいによる採点結果差異
事例170点75点+5点
事例283点65点△18点
事例371点73点+2点
事例459点64点+5点

・事例2はだいぶ乖離がありますが、それ以外はかなり近い点数ですので、ふぞろいシリーズの採点の信頼性は高そうです。

ふぞろいによる採点の注意点

・本書の中でも書かれているのですが、ふぞろいシリーズの採点はあくまでもキーワードベースの採点であり、解答全体としての一貫性や合理性は考慮されていません。
例えば、設問2と設問3で真逆の方向性を提案していたとしても、ふぞろいシリーズの採点だとキーワードが入っていれば高得点になりますが、実際の採点ではかなり低い評価になっていると思われます。
・ふぞろいシリーズは学習の補助教材としては非常に有用ですが、あくまでも補助教材であって、試験に合格する為には「二次試験の解答メソッド」を身に付ける必要があります。

ふぞろいシリーズの有効な活用方法については、後日解説致します。

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※二次試験合格に必要なポイントをまとめています。目次の順番に読んで頂くと学習効果がより高まります。

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