実務補習には5日間コースと15日間コースがあり、
①5日間コースを3回(合計15日間)受講
②15日間コースを受講
いずれかを選択することになります。
今回はそれぞれのメリット、デメリットを確認していきます。
スケジュール
メリット、デメリットを比較する前に、5日間コースと15日間コースのスケジュールを確認しておきましょう。
・5日間コースは例年2月、7月、8月、9月の年4回開催されます。
・15日間コースは例年2月~3月の1回のみ開催されます。
受講料は同じ
5日間コースの受講料は、
・テキスト無し:49,300円(税込)
・テキストつき:50,000円(税込)
です。
テキストは1度購入すれば使いまわせますので、合計148,600円(税込)です。
15日間コースの受講料は、
・148,600円(税込)
です。
5日間コースでも15日間コースでも受講料は変わりません。
5日間で1社診断
・どちらのコースでも5日間で1社の診断を行います。
・登録までに、合計で3社診断することになります。
5日間コースのメリット・デメリット
チームに実務補習の経験者がいる
・これは裏返すと15日間コースのデメリットでもあります。
・後日改めて書きますが、実務補習は指導員が1~10迄やり方を教えてくれるというスタイルではありません。
・診断の基本的な流れは、以下の通りです。
①診断先の財務諸表やヒアリング結果を事前に確認
②追加質問事項を話し合い、経営者へヒアリング
③各パートで報告書を作成
④内容を擦り合わせ
⑤経営者へプレゼン(報告)
・実務補習では、診断書の提出形式を指示されるくらいで、基本的には自分たちで進め方を考えることになります。
・報告書も表紙と形式の指定くらいはありますが、内容は基本的には自由です。
・15日間は全員が初めて実務補習に臨むメンバーです。
・誰もゴールが見えず、作業ボリュームも分からない状態で作業を進めていくというのは相当大変です。
・一方で、5日間コースは診断2社目や3社目の受講生がいる可能性が高く、過去に経験があります。
・診断の流れや提出形式を理解している方がいるというのは非常に心強いです。
色々な診断士と出会うことができる
・通常、診断のメンバーは5~6名の受講生で構成されます。
・そこに指導員が2名加わりますので合計7~8名です。
・5日間コースの場合、毎回メンバーが変わりますので、累計で20人超の方と出会うことができます。
・もちろん診断士としての登録後も診断士の方と出会う機会は多くあるとは思いますが、実務補習という濃密な時間を過ごしたメンバーとはかなり距離が縮まると思います。
・診断士の合格者は年齢も職業もバラバラで、他業界で活躍する方の話を聞けるというのは非常に刺激になると思います。
・指導員が毎回変わるので(15日間コースの場合は、副指導員は変わりますがメインの指導員は基本的には同じです。)、異なった診断のスタイルを学ぶことができるというメリットもあります。
登録はどんなに早くても9月頃
・5日間コースの場合には、どんなに早くても合格翌年の2月、7月、8月のコースを受講し、登録申請という流れです。
・登録申請から実際の登録(官報で公告されます。)まで大体1ヶ月くらいは掛かるので、登録完了は早くても9月頃ということになります。
一部の地域では実務補習が開催されない。
・実務補習は通常、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7地域で開催されますが、8月コースが開催されるのは、東京、名古屋、大阪のみです。
・お住いの地域によっては実務補習が開催されていないことがあり、その場合には登録までの期間が更に伸びることになります。
登録期間に間に合わない可能性?
・さすがに忘れていたということは少ないと思いますが、例えば、予約が間に合わなかった。急な予定が入って参加できなかった。受講期間中に体調を壊してしまい、参加と見なされなかった。という可能性はあると思います。
・3年以内に登録を行わないと実質失効したのと同じ状態になってしまいますので、注意が必要です。
登録申請中小企業診断士二次試験に合格後、3年以内に中小企業診断士として登録申請をすると、晴れて中小企業診断士としての活動ができるようになります。登録が完了するまでは中小企業診断士を名乗ることはできません。名刺にも書けません。登録[…]
15日間コースのメリット
最短で登録ができる
・15日間コースは3月中旬に終了しますので、終了と同時に登録申請を行った場合には4月末~5月中に官報に掲載されます。(2019年度の場合、5月15日に登録完了、官報掲載は5月28日でした。)
診断士登録が完了すると官報に掲載されます・診断士試験に合格しただけでは中小企業診断士を名乗ることはできず、診断士として活動するためには一定の登録要件を満たした上で診断士登録を行う必要があります。・診断士登録が完了すると官報に登録[…]
メンバーとの絆が深まる
・実務補習はかなりハードです。
・中小企業診断士は合格したというだけでも親近感が湧きますが、その上で1ヶ月弱、一緒に大変な思いをした仲間というのは、大切な友人になります。
・合わない人がいる場合にはかなり苦痛ですが…。
満遍なく経験ができる
・通常診断を行う際には、①経営戦略②財務会計③マーケティング④(製造業の場合)運営管理⑤組織人事のパートをメインとサブで2つづつ受け持つことになります。
・メンバーが同じなので、診断先毎に担当パートを入れ替え、満遍なく担当することができます。(5日間コースの場合も事前に希望を取るため、ある程度配慮はされます。)
・診断先企業は通常指導員が選びますが、サービス業、卸売業、製造業といったように異業種の企業を用意して頂ける為、重複なく色々な業種を経験することができます。
とにかくキツイ
・これに尽きます。
・15日間コースはとにかくキツイです。
・2019年の実務補習スケジュールを見てください。
・大前提として平日7日間も休めるのかということはありますが、土日休みの方だとほぼ休みが無くなります。
・2/9~2/11の三連休が終わると、3/18の最終日まで、なんと休みが2日間しかありません。
・2月、3月は恐らく多くの方が忙しい時期だと思います。
・講習日は、擦り合わせがメインになりますので、作業はそれ以外の平日に行うことになります。
・講習日は9:00~17:00迄ガッツリです。
・1社あたり飲み会も1~2回くらいあります。
・場合によっては日付が変わるまで作業が必要ということもあります。
・ただでさえ忙しい時期に、ほぼ休みなく、初めて出会うメンバーと、普段の仕事と全くことなる診断業務を行うというのは、相当キツイです。