企業経営理論

【企業経営理論】

重要度:A(A>B>C)

目安学習時間:120時間

二次との関連性:非常に高い(事例1、事例2)

 

企業経営理論の特徴や難易度について

 

試験科目設置の目的と内容

企業経営において、資金面以外の経営に関する基本的な理論を習得することは、経営に関する現状分析及び問題解決、新たな事業への展開等に関する助言を行うにあたり、必要不可欠な知識である。また、近年、技術と経営の双方を理解し、高い技術力を経済的価値に転換する技術経営(MOT)の重要性が高まっており、こうした知識についても充分な理解が必要である。このため、経営戦略論、組織論、マーケティング論といった企業経営に関する知識について、以下の内容を中心に判定する。

出典:一般社団法人中小企業診断協会(https://www.j-smeca.jp/index.html

 

企業経営理論の特徴

・学習範囲は、経営戦略論組織論マーケティング論に分かれます。

・経営戦略論、組織論はやや概念的な内容が多いですが、ご自身の職場等に当てはめると理解しやすいですし、マーケティング論についても普段の生活の中で触れていることが多いので、比較的理解しやすく、中小企業診断士の中でも面白い科目の一つです。

・内容自体は理解しやすいのですが、問題文にクセがあり、得点しづらいという特徴があります。

 

企業経営理論の難易度

・科目別合格率は、平成29年度に9.0%、平成30年度に7.1%と2年連続で10%未満となりましたが、それ以前は平成25年度の6.8%以外は全て10%以上の合格率であり、合格率15%前後で比較的安定しています。

 

平成26年度平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度
13.4%16.7%29.6%9.0%7.1%

 

※詳細はこちらをご覧ください。

 

出題の傾向

・配点は1問あたり2点もしくは3点で、出題数は40問前後です。

・1問あたりの配点が少ないため、大量失点には繋がりにくく、しっかりと対策をした受験生にとっては、点が取りやすいという特徴があります。

・毎年、経営戦略論、組織論、マーケティング論がそれぞれ3~4割づつ出題されています。

・問われる論点はあまり変わりませんが、知識がストレートに問われるというよりは、知識があることを前提に、それがどのような効果を生み出すかということを解答する応用力が求められます。

・他の科目と比較して問題文が長く、日本語表現にクセがあるため、知識はあるのに正答できないということが往々にしてあります。

 

二次試験との関連性

組織論は二次試験事例1、マーケティング論は事例2に直結する内容です。経営戦略論は二次試験の事例企業を分析する際に前提となる知識ですので、非常に重要な科目の一つです。

企業経営理論の学習方法

 

目安学習時間

・企業経営理論の目安学習時間は120時間です。

 

〔参考〕
私の平成30年度一次試験結果
学習時間:120時間
得点:72点(科目別合格率:7.1%)

 

単に一次試験で6割以上を狙うということであれば100時間あれば十分ですが、二次試験への応用ということを見据えて120時間という目安学習時間とさせて頂きました。

 

学習のポイント

早めに過去問に取り組もう

・企業経営理論では、読解力と応用力を求められるため、知識がある=得点できるということにはなりません。

早めに過去問学習を始め、独特の文章に慣れることが大切です。

 

・テキストで学習→学習範囲の過去問を確認というルーティンで学習を進めていくことがポイントです。

・この際、正答できる必要はなく、テキストの延長線上で問題文や解説を「読む」という感覚で行うことを心掛けましょう。

・最低でも5年分の過去問は目を通し、完璧にマスターしましょう。

・法改正等が少なく、出題内容が似ているので、それ以上遡って学習することも効果的です。

 

早めに二次試験の問題を確認しよう

・企業経営理論で学習する内容が、二次試験とどのように関連しているのか、どのような知識を求められているのかということを理解するために、早めに二次試験の問題と解説を入手して内容を確認しましょう。

・解答解説については、参考書を入手したり、各受験予備校等がwebで発表しているものを入手することができます。このサイトでも私なりの解答解説を順次追加していく予定です。

 

メリハリをつけた学習をしよう

・企業経営理論は学習内容自体が面白く、範囲を広げて学習をしてしまいがちです。

・もちろん「学び」という意味では素晴らしいことなのですが、「試験合格」という目標を達成するためには、あまりお勧めできません。

 

一次試験での頻出論点や二次試験と関連が高い重要論点と、そうではない論点とでメリハリをつけることが重要です。

 

※二次試験との関連度や重要度についてはこちらでまとめています。

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企業経営 一覧

 

 

二次試験で出題される論点は他人に説明できるレベル

・二次試験と関連度の高い論点については、単に用語の意味が分かるというだけではなく、メリット、デメリットは何か。デメリットを解消する方法は何か。具体例は何か。といった内容を他人に説明できるレベルまで仕上げる必要があります。

 

欲求理論、リーダシップ理論についてはほどほどに

・欲求理論、リーダシップ理論はご自身が所属している組織に当てはめやすく、特に社会人の方にとっては強く興味を惹かれる分野だと思います。

・内容はとても面白いのですが、範囲が広い割に出題数が少なく、二次試験では出題されないコスパが悪い分野ですので、テキストに掲載されている重要論点の理解に留め、その他の論点の理解に時間を割きましょう。

 

 

労働法規関連についてはほどほどに

・労働基準法をはじめとした労働法規関連は毎年1~2問の出題があります。(近年は出題数が増加傾向にあります。)

・10~15点分出題されている年度もありますが、難易度が高く、出題範囲も広いため、全問正解を目指そうとすると、社労士レベルの学習が必要になります。(社労士の目安学習時間は1.000時間です。

・こちらもテキストに掲載されている重要論点の理解に留め、その他の論点の理解に時間を割きましょう。

労働法規関連は5割取れれば問題ありません。

 

おすすめ副教材

・二次試験での出題のされ方を学ぶという意味で、「ふぞろいシリーズ」がお勧めです。

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感想(1件)

※まずは一次試験に合格することが目標ですので、企業経営理論対策という意味では、1冊手に入れれば問題ありません。
・受験生のコラム等も記載されており、モチベーション回復にも繋がりますので、休憩がてら目を通すと良いと思います。

 

※この記事でも学習方法について触れていますので、併せて確認してください。

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参考になれば幸いです。試験勉強頑張ってくださいね!