以前、「合格答案を作るためには、「一貫性」「合理性」「明瞭性」「具体性」を満たした解答を作ることが重要である。」と解説しました。
今回は、合格答案に必要な「一貫性」「合理性」「明瞭性」「具体性」について解説致します。合格答案を作成するために必要となる重要な考え方です。ひとつひとつ確認していきましょう。一貫性解答全体で1つの診断報告書・二次試験は経営[…]
設問要求=設問の指示
設問要求は一言で言ってしまえば、設問が求めているもの、設問の指示です。
設問要求を満たしていないと評価されない
設問要求=問いかけ+制約条件
設問要求は「問いかけ」と「制約条件」に分けて考えることが重要です。
具体例で考えていった方が分かりやすいので、平成30年度事例2の設問3を例に解説していきます。
平成30年度事例2設問3
B社は、宿泊客のインターネット上での好意的なクチコミをより多く誘発するために、おもてなしの一環として、従業員と宿泊客との交流を促進したいと考えている。
B社は、従業員を通じてどのような交流を行うべきか、100字以内で述べよ。
問いかけは設問の根幹
・問いかけは、設問のうち、問われていることの根幹(本筋)になる内容です。
・設問の内容を一言で言い表したもの、余計な修飾語を省いたものと考えると分かりやすいです。
「B社は、どのような交流を行うべきか」
です。
「B社は、~といった交流を行うべきである。」
となります。
制約条件=前提条件
・制約条件は解答をする上での前提条件です。
・「色々な解答が考えられると思うが、あくまでもこの前提条件を満たすものを解答しなさい。」という意味です。
・問いかけを修飾するものと考えると分かりやすいです。
②インターネット上での好意的なクチコミをより多く誘発するために:インターネット上で、好意的なクチコミに繋がる必要があります。
③おもてなしの一環として:あくまでもおもてなし(サービス)の一環で実施することであって、設備投資や広告等、新たな費用を伴うものではありません。
④従業員と宿泊客の交流、従業員を通じて:従業員が宿泊客に対し実施することです。
⑤100字以内で
B社が実施すべき交流はいくらでも解答できますが、求められている解答は、これらの制約条件を全て満たした交流です。
①「外国語で説明する。」
②「写真映えするスポットを紹介する」
③「写真撮影を手伝ってSNS投稿を促す」
といったことが解答骨子になっていきます。
制約条件を満たせるかが合否の分かれ目
制約条件によって解答の幅は制限される
・解答に制約条件が無い場合、何パターンでも解答が書けます。
・複数の制約条件を付すことによって、解答すべき内容というのは自ずと一定の範囲に制限されます。
・この範囲に入った解答が出来るかということが合否を分けます。
・先ほどの設問を見て頂ければ分かるように、設問要求の大半は制約条件です。
・いかに与件文と設問構造を考慮しつつ、設問要求を理解し、制約条件を満たした適切な解答が出来るかということが合否を分ける重要なポイントになります。
制約条件は解答のヒント
・制約条件は解答の幅を制限し、ある一定の範囲に収れんする役割を果たしています。
・裏返すと、制約条件を正しく理解できれば、解答すべき内容のおおよその見当がつくということです。
※対策方法については、後日解説させて頂きます。
問いかけ:設問の根幹
制約条件:前提条件
問いかけと制約条件の両方を満たさないと評価されない。
制約条件は対策次第で解答のヒントになる。
以上、参考になれば幸いです。
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