財務

【財務会計】

重要度:A(A>B>C)

目安学習時間:150時間

二次との関連性:非常に高い(事例4)

財務会計の特徴や難易度について

試験科目設置の目的と内容

財務会計の特徴

財務会計を制する者は中小企業診断士試験を制する

・財務会計は二次試験事例4に直結する重要な論点ですが、日常生活で触れる機会が少ない知識であり、対策に時間がかかることから、苦手にする受験生が多い科目です。

・二次試験においても、事例1~事例3では合格点を超えていたものの、事例4で足切りになってしまったという方も少なくありません。

・そういった意味で、財務会計は中小企業診断士試験の合否に直結する重要科目です。

財務会計の難易度

・財務会計は難易度の上下が非常に激しい科目です。平成19年度以降の科目別合格率を確認すると、最も合格率が低かったのが平成24年の3.8%、最も高かったのが平成27年の36.9%と30%以上の差があります。

・難易度が低い場合には得点源とすることはもちろん、高い場合でもしっかりと6割以上の得点を取ることができる力を身に付けることが重要です。

平成26年度平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度6.1%36.9%21.6%25.7%7.3%

※詳細はこちらをご覧ください。

出題の傾向

・財務会計の出題の中心は計算問題です。

・知識問題も数問出題されることはありますが、難易度が高く出題範囲も広いため、対策が困難です。

・財務会計では、毎年出題範囲から満遍なく出題されますので苦手な論点を作らないことが重要です。

2~3年に1度、簿記に関する問題が出題されます。

二次試験との関連性

・財務会計は二次試験事例4と直結します。

・事例4は計算結果を解答します。事例1~事例3と比べて正解不正解がはっきりしているので、計算を確実にできることが重要です。

財務会計の学習方法

目安学習時間

・財務会計の学習目安時間は150時間です。

〔参考〕
私の平成30年度一次試験結果学習時間:198.5時間得点:76点(科目別合格率:7.3%)※財務会計の対策ということであれば、150時間程度で6割を超えることは可能です。私の場合は、事例4を早めに仕上げて事例1~事例3の対策を行う時間を多めに確保しようと思いましたので、一次試験対策の段階から多めに学習時間を確保しました。

学習のポイント

早い段階から学習を始めよう

・一次試験7科目のうち、何から取り掛かれば良いか悩まれている場合には、財務会計から学習を始めることをお勧めします。

 

財務会計はどれだけアウトプットの時間を取れるかということが重要ですので、早めにインプットを完了し、計算演習を継続して行うようにしましょう。

学習は演習中心

計算は理解よりも慣れです。

・試験本番までにできるだけ多くの計算問題をこなすように意識しましょう。

テキストを読む→例題を解く→過去問を解く
というサイクルを早く習慣化しましょう。

計算は必ず毎日1題

・どんなに忙しくても、疲れていても、計算問題だけは必ず1題は解きましょう。

・3分で解ける問題でも良いです。それでも解きましょう。

 

1日でもサボってしまうと、すぐに学習する習慣が抜けてしまいます。

過去問は簡単な年から

・財務会計は年度によって難易度のばらつきが大きい科目です。

・難易度が高い問題から取り組もうとすると、混乱したり、自信を失ったりしてしまいます。(何より勉強が苦痛になってしまいます。)

・過去問は難易度が低かった年度(科目別合格率が高い年度)から取り組むことをお勧め致します。

・出題傾向の変化は少なく、法改正も論点になりませんので、解答が手に入る限り、遡ることお勧めします。

知識問題はほどほどに

・毎年、数問知識問題が出題されますが、知識問題対策はほどほどにしましょう。

・範囲が広いため、対策をしようとすると簿記2級以上の知識が必要です。(簿記の中でもマイナーな論点が出題されたりします。)

再度同じ論点が出題されることはありませんので、知識問題は解説を読む程度に留めましょう。

・現金の範囲や流動と固定の区別等、度々出題されている基礎論点は完璧に仕上げましょう。

二次試験を見据えた学習をしましょう

・一次試験の場合には、選択肢が与えられているため、おぼろげな知識でも正答に辿り着くことは可能ですが、二次試験は記述式ですので、完璧な知識がないと正答に辿り着けません。

・一次試験合格後から二次試験までの短期間でこの精度を上げるのは困難です(事例1~事例3の対策がおろそかになります。)。

経営分析、CF計算書、CVP分析、NPV計算といった二次試験でも頻出の論点は一次試験対策の段階から完璧に仕上げるようにしましょう。

日々の演習から計算は丁寧に

・一次試験では電卓の持ち込みはできませんので、計算問題は筆算でできるレベルです。

自宅での演習の際はあり得ませんが、試験本番の緊張と疲労の中では、自分の0と6を見間違えて不正解になってしまったなんてことが本当にあります。分かっているのに4点を落としてしまうというのは非常にもったいないですよね。

多少時間はかかりますが、日々の演習の時から計算過程を丁寧に書くクセをつけて本番でミスをしないようにしましょう。

簿記は不要です。

・財務会計もしくは事例4対策として簿記の学習をすることはお勧め致しません。

※詳細はこちらをご確認ください。

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電卓

おすすめ副教材

・財務会計では演習をできるだけ多くこなすことが重要です。

・私はテキスト、過去問(5年分)に加えて以下の教材を利用しました。

◆◆中小企業診断士集中特訓財務・会計計算問題集 / TAC株式会社(中小企業診断士講座)/編著 / TAC株式会社出版事業部

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・100題以上の充実の問題数に加えて、二次試験対策にも触れられています

・難易度が4段階(A~D)で表記されており、学習状況に応じた取り組みが可能です。

・私は、テキストを読んだ後、該当する単元のA問題(一番簡単な問題)に取り組み、それができたら難易度を上げていくという利用の仕方をしていました

・過去問と並行して進めていくと効果的です。

参考になれば幸いです。試験勉強頑張ってくださいね!