【経済学・経済政策】
重要度:C(A>B>C)
目安学習時間:100時間
二次との関連性:低い
経済学・経済政策の特徴や難易度について
試験科目設置の目的と内容
企業経営において、基本的なマクロ経済指標の動きを理解し、為替相場、国際収支、雇用・物価動向等を的確に把握することは、経営上の意思決定を行う際の基本である。また、経営戦略やマーケティング活動の成果を高め、他方で積極的な財務戦略を展開していくためには、ミクロ経済学の知識を身につけることも必要である。このため、経済学の主要理論及びそれに基づく経済政策について、以下の内容を中心に知識を判定する。
出典:一般社団法人中小企業診断協会
(https://www.j-smeca.jp/index.html)
経済学・経済政策の特徴
・学習範囲はミクロ経済学とマクロ経済学に大別されます。
・ミクロ経済学では企業や個人の経済活動を、マクロ経済学では国家の経済活動を分析します。
・グラフの分析を求める出題が多いという特徴があります。
経済学・経済政策の難易度
・科目別合格率の推移を確認すると、平成26年度以降、易化傾向が続いており、平成28年度から3年連続20%以上の高い合格率で推移しています。
・一方で、平成21年度は2.1%(平成19年度以降、全科目の中で最も低い合格率)、平成22年度6.1%、平成23年度8.6%と一桁台合格率が続いた時期もあり、油断はできません。(経済学という性質上、難易度調整が難しいのだと思われます。)
・直近5年間の合格率が非常に高い為、今後、難易度が一気に上がる可能性は十分あります。
平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 |
19.4% | 15.5% | 29.6% | 23.4% | 26.4.% |
※詳細はこちらをご覧ください。
出題の傾向
・経済学は1問4点×25問の形式で出題されます。一つにグラフについて複数の問題が問われる出題も多く、理解が疎かだと、大量失点に繋がってしまう可能性があります。
・概ねミクロ経済学の分野とマクロ経済学の分野が半分ずつ出題されます。
・1問目から数問は統計資料のグラフを読み取る問題が出題されます。
二次試験との関連性
・経済学・経済政策は二次試験との関連性は殆どありません。
経済学・経済政策の学習方法
目安学習時間
・経済学・経済政策の学習目安時間は100時間です。
私の平成29年度一次試験結果
学習時間:116時間
得点:60点(科目別合格率:23.4%)※統計の問題が4問、知識問題が4問出題されていたのですが、ここで7問落としてしましました…。※頻出論点については完璧に押さえていたため、そこで点を稼ぎ、何とか60点を確保することができました。
学習のポイント
重要論点を中心に学習する。
・経済学・経済政策では、毎年出題される重要論点が決まっていますので、ここを中心に学習しましょう。
・以下は毎年のように出題がある、重要論点です。この分野の過去問については完璧に理解するようにしましょう。
【重要論点】
・無差別曲線
・需要の価格弾力性
・余剰理論(死荷重)
・ゲーム理論
・独占市場均衡/複占市場均衡
・GDP/GNI
・乗数効果
・流動性のわな
・IS-LM分析
統計問題は対策不要(不可能)
・例年1問目から数問は統計資料のグラフが提示され、「このグラフはどこの国か?」「このグラフが示すものは何か?」というような出題があります。
・グラフを知らないと正答を選ぶことは困難ですが、グラフの出典は内閣府資料や財務省資料等多岐にわたり、出題を予測することは不可能です。
・残念ながら、ここについては運と勘に頼らざるを得ません。
・多い時は5問程度の出題がありますので、20点分ということになります。20点を運と勘に頼ることになるということが、経済学・経済政策が敬遠され、嫌われる科目である理由の一つだと思います。
理解してから次の単元に進むようにしよう
・経済学は一つ一つ知識の山を積み重ねていくようなイメージの科目です。
・他の科目の場合には、分からなくても取りあえず進んでいったら理解できた。ということが往々にしてありますが、経済学の場合には、分からないまま進んでいくと、全く理解ができなくなってしまいます。
・理解できていない箇所があった場合には、放置をせず、完璧な理解をした上で次の単元に進みましょう。
グラフを書いて覚えるのが効果的
・経済学は、丸暗記では対応が難しく、なぜそのようになるのかという因果関係を理解することが非常に重要です。
・経済学はテキストの文字を読んで覚えるというよりは、何か事象が起きた際にグラフがどのように動き、どのような影響を与えるか。ということを理解することが重要です。
・復習の際、ゼロからグラフを書き出し、(個人消費Cが増える→乗数効果で国民所得Yが増える→IS曲線は右シフトする。というように、)事象に応じたグラフを自分で書けるかどうかということを確認していくと効果的です。
経済学に関してはノートを作るのもあり
・他の記事で「まとめノートは必要ない。」とコメントしていますが、経済学に関してはノートを作ることもありです。
試験勉強を進めていくに当たって誰もが一度は思い悩む「まとめノートを作った方が良いのか」という疑問。今回はまとめノートの必要性について私の考えを書きたいと思います。 結論:まとめノートは必要ないテキストこ[…]
・私は表に現象を文字で、裏にそれに対応するグラフを記載して、復習の際に利用していました。
必要教材
・テキスト
・過去問(過去5年程度)
おすすめ副教材
経済学・経済政策では特におすすめの副教材はありません。
経済学・経済政策は、試験対策としても実務でもあまり有用とは言えない科目です。
基礎論点をしっかりと押さえて確実に50点を確保し、
二次試験と直結する重要科目を中心に学習を進めましょう。
参考になれば幸いです。試験勉強頑張ってくださいね!