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診断士とMBAの違いは?

診断士とMBAの違いは何でしょうか?
診断士と比較してよく話題に挙がるMBA
今回は診断士とMBAの違いについて解説します。

診断士=資格 MBA=学位

・MBAの正式名称はMaster of Business Administrationです。

・日本語訳だと経営学修士と呼ばれます。

診断士が国家資格であるのに対し、MBAはビジネススクール(経営大学院、日本では大学院)卒業生に与えられる学位です。

ちなみに診断士の英語名はRegistered Management Consultantです。

 

他社の経営コンサルを行う診断士と自社の経営を行うMBA

・診断士は他社を診断士、経営助言を行うという経営コンサルタントとしての位置付けが強いですが、MBAは経営者や経営幹部候補としてが自社を経営していくに当たって必要な経営者としてのスキルを身に付けるという位置付けが強いです。

MBAの方がより起業や、自分自身が経営者としてどう振る舞うべきかという視点が強いように思われます。

 

「診断士は結果にコミットする」

・これは私がお世話になった、独立診断士の方の言葉です。

・もちろんMBAにも同じような側面はありますが、診断士の場合は他社(特に中小企業)を診断、助言することが中心です。

・診断士は知識を得て資格に受かること、診断、助言をすることがゴールではなく、経営者を動かし経営を改善させることがゴールです。

・そういった意味でより他社(他者)を動かし結果が出すということが求められる資格です。

 

学習範囲は似ている

・MBAは明確に学習内容が規定されている訳ではなく、それぞれのビジネススクールが経営に必要な知識を学ぶためのカリュキュラムを作成、運用しています。

・ビジネススクールによってカリュキュラムにかなり違いがありますが、一言で言うと、「経営者として必要なスキルを身に付ける」です。

・そういった意味では学習範囲は似ていると思います。

診断士が経営全般について広く浅く学習するのに対し、MBAは経営戦略や意思決定といった分野を中心に狭く深く学習します。

 

取得の仕方が違う

・診断士は国家資格である中小企業診断士試験に合格した方に与えられる資格ですが、MBAは大学院等で1~3年のカリュキュラムを履修する(卒業する)ことにより与えられます。

・診断士も個人差はありますが、一般的に1~3年の学習期間が必要と言われていますので、取得までに必要な期間はあまり変わりがありません。

・診断士は試験なのでもちろん選抜制ですが、MBAも出席率や課題の提出等、一定の要件を満たさなければ学位を取れないことがあります。

 

受験資格がMBAの方が厳しい

診断士は受験資格は無く、誰でも受験することが可能ですが(診断士登録は20歳以上という要件があります。)、MBAは一般的に社会人経験が3~5年以上無いと選抜試験を受けられないビジネススクールが殆んどです。

診断士は30~40代が受験者のボリュームゾーンですが、MBAは20~30代がボリュームゾーンです。

 

診断士とMBAのレベルの違いは?

・MBAが取得可能なのは、ビジネススクールと呼ばれるMBAを取得するコースを設置している大学です。

・ビジネススクールのレベルによって社会的な評価や学習内容が全く異なるため、一概に比較することは困難です。(一般的に、国内のビジネススクールは海外のビジネススクールに比べてかなり評価が低いです。)

どちらの方か認知度が高いのか?

・残念ながら診断士もMBAも内容を正しく理解している方はあまり多くありません。

・どちらも「何となく経営に関する難しそうな資格」というのが一般的な認知です。

中小企業経営者には英語に対する拒絶感が強いのか、診断士の方が馴染みがあり浸透している印象です。

 

どちらの方が評価が高いの?

・これも一概に比較することは困難です。

・MBAは相当な費用が必要になるため、個人で取得するというよりは会社の費用で取得をする方が多く、取得者の多くが社員をMBAに派遣することが可能な企業(超大手)に所属しています。

・結果的にMBA(特に海外ビジネススクール)の取得者は外資系企業や超大手企業の経営幹部等、社会的に評価が高い人が多くなるため、一般的なイメージとしてはMBAの方が凄そう(格好良さそう?)と思われているようです。

 

必要な費用が桁違い

・MBAの場合には学費として最低でも200万円以上かかります。トップランクのビジネススクールの場合には1,000万近い学費が必要です。

海外のビジネススクールの場合には+移動費や滞在費等が必要になります。

・一方で、診断士は最も少なくて5~6万円で登録可能です。(一般的には登録まで20~30万くらいです。)

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経営コンサルタントとして独立起業するなら診断士の方がお勧め

・経営コンサルタントとしての独立を想定した場合、主たる顧客は中小企業になると思います。

・公的な支援機関等は経営コンサル業務の発注先として診断士を指定していますので、創業期の業務獲得はしやすいです。

・また、診断士の場合には診断士として登録後、各都道府県に設置された診断協会に任意で登録し、籍を置くことになります。診断協会には診断士が約9,000人所属しており、日々情報交換や勉強会を行っています。ここでの人脈形成や業務マッチングを期待することができます。

 

診断士とMBAの違いをまとめると以下の通りです。

取得後のキャリア形成や取得方法(特に費用)にかなり違いがありますので、ご自身の将来像にマッチした選択をするようにしましょう。

診断士MBA
取得形態国家資格学位
位置付け他者の経営コンサルタント自社の経営者、経営幹部
学習範囲経営に関する知識全般(広く浅く)経営に関する知識全般(狭く深く)
取得方法国家試験合格ビジネススクール卒業
受験資格無し(登録は20歳以上)社会人経験3~5年以上
受験者30~40代中心20~30代中心
必要費用5~30万円200~1,000万以上
取得後独立・社内診断士経営幹部