今回は、診断協会の会員を対象に実施したアンケート結果を基に、診断士有資格者がどのように働いているのかをランキング形式で解説致します。
診断士の働き方ランキング
第1位 民間企業勤務(44.4%)
・診断士の職業のうち、最も多いのは民間企業勤務です。
・資格取得の動機というアンケート結果でも「経営全般の勉強など自己啓発、スキルアップを図ることができるから」という理由が全体の28.8%で第1位となっており、既に企業で活躍されている方がスキルアップを目的に診断士を取得しているということが大きな理由です。
※資格取得の動機と資格取得に対する評価のアンケート結果については後日解説予定です。
・今回データの基になっているアンケートは診断協会に属している診断士に対し実施したものですが、企業内診断士は診断協会に登録しないことも多く、企業診断士の実際の割合は約6割と言われています。
金融機関勤務は8.3%
・民間企業のうち、金融機関勤務の診断士の割合は約8.3%と非常に多いです。
・金融機関は融資業務に加えて、取引先企業の経営改善という業務も担っています。
・財務面からの助言が多いものの、診断士資格と金融機関業務の親和性は高いため、他民間企業に比べて診断士を目指す方の割合が多いものと推察されます。
・地方銀行を中心に診断士の取得を奨励する金融機関も多く、中には養成課程の費用を含めて全て会社が費用を負担してくれる金融機関もあります。
※養成課程については後日解説致します。
コンサルティングファーム勤務は3.4%
・診断士を目指す方が憧れることも多いコンサルティングファーム勤務ですが、実際の割合としては少数派です。
・診断士とコンサルティングファームの業務自体は親和性が高いのですが、そもそもの転職のしづらさというところが影響しているものと思われます。
中小企業診断士は転職に有利なのでしょうか? 転職コンサルタントと話す機会があったので話を聞いてみました。首都圏が中心のため、地方については分からないとのことですが、色々と本音を聞き出すことができました。[…]
第2位 独立診断士(44.1%)
・企業内診断士の次に多い職業が独立診断士です。
・アンケートの結果上は44.1%と企業内診断士とほぼ同等の割合ですが、実際には3割程度と言われています。
診断士専業は16.2%、他資格兼業は27.9%
・診断業務のみで生計を立てている診断士は全体の16.2%、独立診断士の中では36.6%と少数派です。
・多くの独立診断士は、ゼネラリストである診断士資格に加えて専門性の高い他資格を得意分野として活動しています。
・診断士が保有するその他資格は、情報処理技術者を筆頭にIT関係、販売士、FPが多いのですが、独立診断士が組み合わせている資格としては社労士が圧倒的に多い印象です。
予備校講師は大半が独立診断士
・独立診断士の働き方として意外と多いのが予備校講師です。
・診断士に限った話ではありませんが、予備校講師の大半は予備校の社員ではなく、予備校が依頼した独立診断士です。
第3位 公務員・公的機関勤務(6.3%)
・診断士は元々「中小企業診断員」という名称で、大半が公務員や商工会議所を始めとする公的機関の職員でした。
・当時は、行政や商工会議所等が自ら経営相談を受けていたのですが、民間のノウハウを活用すべきという方向性の下、試験制度が変更され、業務についても積極的に民間の独立診断士へ依頼するようになりました。
・そういった変化もあり、公務員・公的機関勤務の診断士の割合は減少傾向にあります。
第4位 その他(5.2%)
・その他として調査研究機関勤務や無職(学生等)の方が挙げられます。
幅広い活躍が可能な診断士
・診断士は対象とする領域が広く、独占業務も殆どないですが、だからこそ他の国家資格に比べて多様な働き方が可能です。
以上、参考になれば幸いです。