GMAPビジネスフレームワークテストは診断士の知識で対応可能か

会社の昇格試験でGMAPビジネスフレームワークテスト(GMAP-BF)を受験する機会がありました。

一般的にはあまり知られていない試験ですが、昇格試験や大学の卒業試験の一環として多くの企業や大学で採用されているそうです。

グロービス GMAP試験対策&問題集

[最終更新日 2024/05/29] 2024/05/29 問題文の修正と古い情報を削除。 2023/06/29 サンプ…

試験の概要等は上記サイトで詳しく説明されていますので、この記事では診断士若しくは診断士受験生がGMAP-BFを受験した場合、診断士の知識で対応可能かということを解説したいと思います。

結論:診断士の知識で対応可能

結論としては診断士の知識で対応可能です。

GMAP-BFは全部で6科目ありますが、「企業経営理論」「財務・会計」の学習範囲とほぼ重複しています。

GMAP-BF診断士試験
マーケティング企業経営理論
経営戦略企業経営理論
人的資源管理企業経営理論
組織行動学企業経営理論
企業会計財務・会計
ファイナンス財務・会計

GMAP-BFと診断士試験の違い

GMAP-BFと診断士試験では以下のような違いを感じました。

(1)GMAP-BFは問題文が短い

・診断士試験(特に企業経営理論)は問題文自体が長く、解釈が難しい場合も間々ありますが、GMAP-BFの問題文はとてもシンプルです。

・イメージとしては以下のような感じです。

問題:VRIOフレームワークのIは何を表すか
(ア)価値がある
(イ)希少性がある
(ウ)模倣困難性が高い
(エ)組織化されている
解答:(ウ)
事例問題としてA4用紙1ページ程の与件文が与えられる問題もありますが、与件文を読み込まなくても設問単位で解答可能です。

(2)GMAP-BFは解答時間が短い

・診断士試験の1問あたり解答時間は以下の通りです。

科目問題数解答時間1問あたり解答時間
企業経営理論約40問90分2.25分
財務・会計約25問60分2.4分

・GMAP-BFの1もんあたり解答時間は以下の通りです。

科目問題数解答時間1問あたり解答時間
マーケティング30問20分0.66分
経営戦略30問20分0.66分
人的資源管理30問20分0.66分
組織行動学30問20分0.66分
企業会計20問20分1分
ファイナンス20問20分1分

・GMAP-BFは診断士試験に比べると、企業経営理論の重複科目で約3.4倍、財務・会計の重複科目で約2.4倍のペースで解答する必要があります。

短い時間でいかに正誤を判断できるかということが重要です。

(3)難易度はGMAP-BFの方が低い

・受験した感想としては、設問毎の難易度はGMAP-BFの方が低いです。

・単語の意味を知っていれば解けるレベルの問題が多く、イメージとしてはテキストの章末に掲載されているチェック問題くらいのレベルです。

・企業会計、ファイナンスで計算問題も出題されますが、「損益分岐点売上を求めよ。」「NPVを計算せよ。」くらいのレベルなので、財務・会計のテキストレベルを理解しておけば問題なく対応可能です。

(4)診断士のテキストに無い内容も出題される

・診断士のテキストは診断士試験の傾向に合わせて解説する内容を絞り込んています。

・試験が変われば当然出題傾向も変わりますので、中には診断士のテキストに掲載されていないような論点も出題されます。

ある程度推測もできますので、現場対応で何とかなると思います。

診断士、診断士受験生のGMAP-BFお勧め対策方法

診断士、診断士受験生向けの対策方法は、「診断士受験生時代のテキストを読み返す。」ことです。

冒頭でご紹介したサイトでは以下の2冊をGMAP-BFの対策として推奨しています。

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両方とも購入して一通り学習しましたが、感想としては「この2冊は読まなくても大丈夫」です。

(1)試験対策になりづらい

・GMAP-BFでは過去問が公開されていません(問題も回収されてしまいます。)。

・2冊目の基本問題集はGMAP-BFに特化して作られている訳ではありませんので、直接的な対策にはなりづらいです。

(2)読みづらい

・どちらかというとこちらの方が大きな理由ですが、2冊ともとにかく読みづらいです。

・診断士のテキストは各予備が改編を重ね、「いかに読みやすく理解しやすいか。」を考えて作られていますが、上記2冊はどこかの論文を寄せ集めたような内容で、読みやすさを考慮しているようには感じられません。(感覚的には大学の授業で使うテキストのようです。)

実際の結果

・私の受験結果は正答率約88%、スコア約700でした。

・学習内容は診断士受験生時代に利用していた「企業経営理論」と「財務会計」のテキストを読み返しただけです。

・GMAP-BFでは約8割がスコア400~600の範囲に収まりますので、スコア700というのはかなりのハイスコアです(スコア700以上は上位2.3%です。)。

対策をしなくても7、8割以上は取れる

企業経営理論、財務・会計の対策をしっかりとして、科目合格ができるくらいの実力がある方であれば、特に対策をしなくても7~8割以上は取れると思います。

・現在診断士受験生でGMAP-BFを受験しなければいけない方は、GMAP-BF対策をするのは時間の無駄ですので、診断士試験に集中するようにしましょう。

・私も受験生時代、別のテキストを読むことで理解が進んだり、診断士テキストから漏れている論点をカバーできのではないかと思い、MBAマネジメント・ブックを読んだことがありますが、全く意味がありませんでした。それくらい診断士対策のテキスト診断士試験に特化しては作りこまれています。

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以上、参考になれば幸いです。