評価される文章を書くスキル

《総論》評価される文章を書くスキルを身に付けよう

採点者に伝わりやすく、分かりやすい文章を書くスキルを身に付けましょう。
・二次試験は記述式の試験です。
・二次試験が相対評価であることを考えると、同じ内容を記載したとしても、より伝わりやすく、より分かりやすい文章で書いた受験生の方が評価されます。
・解答の型、正しい解答欄の使い方を身に付けることにより、より評価される文章を書くことを目標にしましょう。

解答の型を身に付ける

・二次試験では80分という限られた時間の中で他の受験生よりも優れた解答を作りあげなければいけません。

・そのためには、少しのタイムロスも許されません。

・試験本番の独特な緊張感の中では、冷静に考えれば分かることが分からなくなったり、思わぬミスをしてしまったりということが起こり得ます。

・普段の学習の時から解答の型を意識し、身に付けておくことで、本番当日の時間短縮やミスの防止をすることができます。

・診断士試験において身に付けるべき解答の「型」は6つあります。

①設問にはオウム返しで解答する
②結論を先に解答する
③切る口で解答する
④箇条書きで解答する
⑤である調で解答する
⑥体言止めは極力使わない

①設問にはオウム返しで解答する

・オウム返しで解答するとは、「設問の問いかけのキーワードを主語にして解答を作る」ということです。

設問要求は問いかけ+制約条件で構成されており、この二つを満たして初めて評価される解答になります。

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設問要求

・オウム返しで解答する型を身に付けることにより、即座に解答の書き出しを決めることができますし、問いかけに解答していないというミスを防止することができます。

・具体例で確認していきましょう。

平成28年度 事例Ⅱ 第3問(配点20点)
3年前に開業した直営店併設の飲食店は、売り上げが好調である。B社が飲食店を直接経営することによって、どのようなメリットと効果が得られるか。売り上げが向上すること以外のメリットと効果について、100字以内で説明せよ。

設問要求の問いかけと制約条件の区別はもう大丈夫ですね?
この設問の問いかけは、「どのようなメリットと効果が得られるか」です。

・「メリット」と「効果」を問われていますので、解答の書き出しは、「メリットは、」「効果は、」です。

オウム返し[1]

因みに、2つの問いかけがある時は、それぞれの解答に同程度の文字数を使うことが鉄則です。
いずれかの解答文字数が極端に多い場合は、冗長な文章になっているか、解答すべき内容を盛り込めていない可能性が高いです。

 

②結論を先に解答する

・ビジネス文章も同じですが、まずは結論から解答しましょう。

・結論が先に書かれていないと冗長で非常に分かりづらい文章になります。

・採点者は数百人~数千人の解答を採点しています。

・よく読まないと結論が分からない文章を何度も読み直すという親切さはありませんし、そもそも診断報告書(ビジネス文章)として不適切です。

・まずは結論を書いて、その後に具体例を書くということを心掛けましょう。

結論を先に解答する

 

〇〇(結論)である、具体的には~、
〇〇(結論)である、理由は~、
という書き方をパターン化してしまいましょう。

 

③切り口で解答する

・切り口を意識して解答を作成することで、MECEで引き締まった文章になります。

※詳細については、以下の関連記事をご参照ください。

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切り口

④箇条書きで解答する

・複数の論点を記述する際、一つの文章で書かれていると非常に分かりづらいです。

・「①~である。②~である。」というように箇条書きで簡潔に解答しましょう。

箇条書きで解答する

⑤である調で解答する

・二次試験は経営診断のリハーサルであり、解答は診断報告書です。

・ビジネス文章である診断報告書では、ですます調は使いません。である調で解答しましょう。(多少ですが、文字数も減らせます。)

「~と思われる。」「恐らく~。」といった類推のキーワードも極力使わないようにしましょう。こちらは後日解説予定です。

⑥体言止めは極力使わない

・体言止めとは、「~為。」「~こと。」「~費用。」といったように、文章の終わりを名詞や代名詞で止める用法のことです。

・プレゼンや箇条書き等で用いられることはありますが、文章の終わりが体言止めになっているのはビジネス文章として不適切です。

・「~為である。」「~ことである。」「~費用である。」というように、用言止めで終わるようにしましょう。

「必要な情報は、①金型の管理番号、②製品の設計情報、③在庫情報である。」
というように、文章の中の箇条書きが体言止めで終わっているのは問題ありません。

正しい解答欄の使い方を身に付ける

ややテクニック寄りの内容ですが、解答欄を正しく使うことも重要です。解答欄の使い方

①行の末尾の句読点は1マスに収める

・句読点も原則1マス解答欄を使います。

・但し、句読点は行の頭に使うことはできませんので、行の末尾に句読点を使う場合は文字と一緒に末尾のマスに記載します。

②1文は長くても60字まで

・1つの文章は長くても60字までに収めることを心掛けましょう。

・それ以上長くなると読みづらくなります。

因みに、解答用紙のマス目は1行20字です。
3行以上1つの文章を書くことは避けましょう。

③読点(、)は適切に使う

・適切に読点を使って読みやすい文章を心掛けましょう。

④半角の数字やアルファベットは1マスに2字

・あまり使う機会はありませんが、半角の数字やアルファベットは、1マスに2字記載することができます。

・数字を書く際のカンマ(、)も同様です。

数字やアルファベットの半角、全角の違いは採点には影響を及ぼしません。(CADと全角で書いてもcadと半角で書いても採点への影響はありません。)

⑤段落の書き出しは1マス空けなくても良い

・段落の書き出しは1マス空けるのが正しい原稿用紙の使い方です。

・1マス空けるように指導している予備校もあれば、空けなくて良いと指導している予備校もあります。

・どちらの予備校も合格者を輩出していますので、結論としてはどちらでも構いません。

個人的には空ける必要はないと考えています。
どちらでも良いのであれば、1マス空けることによって、解答文字数が少なくなってしまうのは勿体ないです。

 

いかがでしょうか。

最初は取り組みづらいかもしれませんが、演習を繰り返すと無意識に活用することができるようになります。

評価される文章を書くスキルを身に付けて、二次試験を突破しましょう!

以上、参考になれば幸いです。

※二次試験対策目次(目次順に読み進めて頂くことで、学習効果がより高まります。)

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