真因を見つけよう

【二次試験対策】《総論》「真因」を見つけよう

経営診断のプロセスの1つとして「真因」を探すという取り組みがあります

 

真因は、真の原因

・診断先企業は様々な問題を抱えています。

※問題と課題の使い分けは大丈夫ですね?問題は顕在化しているネガティブな事象です。

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問題と課題[1]

・問題には必ず原因があります。

・その原因を引き起こしているものは何か、なぜその原因を取り除けないのか、といったことを突き詰めて議論していくと、ある根本的な原因に行き着きます。

・目に見える様々な問題を引き起こしている根本的な原因、これが真因です。

風が吹けば桶屋が儲かる

・風が吹けば桶屋が儲かるということわざがありますが、真因を見つけるというプロセスはこのことわざを結果から遡るということです。

①強風が吹いてホコリが舞う
②ホコリが目に入って失明する人が現れる
③三味線を買う人が増える(当時失明した人は三味線弾きになることが多かったため)
④猫が乱獲される(三味線に猫の皮を使うため)
⑤ネズミが増える
⑥増えたネズミが桶をかじる
⑦桶の需要が増えて桶屋が儲かる
・真因を見つけるプロセスは⑦桶屋が儲かっているという現象から②~⑥の原因を遡り、①強風が吹いたことに行き着くことです。
・二次試験に置き換えると、⑦が顕在化している事象つまり問題点、①が問題を引き起こした根本的な原因つまり真因です。
・真因を見つけるためには、与件文から読み取れる問題点を起点として、「その原因は何か?」「原因を引き起こしている原因は何か?」という問いかけを繰り返すことが重要です。

この企業の真因は?

・下の図を見てください、「利益率が低い在庫が多い」「品質が低いと様々な問題が発生しています

真因

・これらの問題にはそれぞれの原因があり、一見関係の無い事象に見えます。

・ところが、それぞれの原因は何か?原因の原因は何か?ということを繰り返していくと「社長依存」という共通の原因に辿り着きます。

・この企業の真因は「社長に依存していること」であり、目指すべき方向性は「社長依存からの脱却」です。

説明の都合上簡便化していますが、実際の企業の場合には原因同士が結びつきあっていたり、複数の原因があったり等、もっと複雑な図になります。

真因を改善しないと経営は改善しない

・いくら問題を引き起こしている直接的な原因を解決したとしてもそれは短期的な解決であり、真因を改善しないと、長期的な経営改善(真の解決)はできません。

通常、直接的な原因は経営者もよく認識しています。直接的な原因の解決方法を提案してもあまり評価されません。

真因は直接取り除けない

・「社長依存」が真因であると分かったとして、「社長依存をやめてください。」というのは改善提案になっていません。

・容易に取り除ける原因であれば、とっくに解決できていますし、恐らくそれは真因ではありません。

・真因は、企業体質や企業文化のように、企業の成り立ちやこれまでの歴史といった長い時間の中で徐々に形成された目に見えないものであることが多く、直接取り除くことは困難です。

つまり、「社長依存が真因なので、依存するのをやめましょう。」という提案は合理性や具体性が無く、評価されません。

結果的に真因が解消される提案をする

・診断士として必要なスキル=評価の高い答案は、真因を踏まえたうえで、取り組み可能な改善策を提案し、「結果」として真因が取り除かれるように働きかけることです。

先程の例で言えば、「社員も参加しながら当社のスローガンを作りましょう。」とか「後継者候補を決めて社長のノウハウを伝えていきましょう。」というような提案をします。

二次試験との関連

真因は解答の方向性

真因を見つけ出すというプロセスは、二次試験において重要な解法です。

・全ての事例で当てはまる訳ではありませんが、真因を見つけないと設問要求をしっかりと理解できない、解答の方向性を決められないということが間々あります。

・特に事例1、事例2は設問要求の解釈が難しく、真因をしっかりと捉えていないと、出題者の意図を大きく外した解答(不合格答案)になってしまうリスクが高まります。

真因をどのように見つけるか

・通常の経営診断で真因を見つけ出すことは容易ではありませんが、二次試験ではある程度パターン化しています

・与件文と設問をよく読めば真因がが見つけられるように構成されており、過去問分析をしっかりと行えば試験時間中に真因を見つけ出すことが可能です。

※真因のパターンについてはテクニック編で解説予定です。

以上、参考になれば幸いです。

※二次試験対策目次(目次順に読み進めて頂くことで、学習効果がより高まります。)

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