経営情報システム

重要度:B(A>B>C)

目安学習時間:100時間

二次との関連性:低い

 

経営情報システムの特徴や難易度について

 

試験科目設置の目的と内容

情報通信技術の発展、普及により、経営のあらゆる場面において情報システムの活用が重要となっており、 情報通信技術に関する知識を身につける必要がある。また、情報システムを経営戦略・企業革新と結びつけ、 経営資源として効果的に活用できるよう適切な助言を行うとともに、必要に応じて、情報システムに関する専 門家に橋渡しを行うことが想定される。このため、経営情報システム全般について、以下の内容を中心に基礎 的な知識を判定する。
出典:一般社団法人中小企業診断協会(https://www.j-smeca.jp/index.html

 

経営情報システムの特徴

・学習範囲はハードウェアやソフトウェアの基礎知識を学ぶ情報通信技術に関する基礎知識とシステムの開発や運用、セキュリティ等を学ぶ経営情報管理に分かれます。

・暗記である程度点数が稼げる一方、ITにアレルギーがある方にとっては学習自体が苦痛で、得意科目とする受験生と、苦手意識を持つ受験生とで二極化している印象です。

 

経営情報システムの難易度

・科目別合格率の推移を確認すると、平成21年度の3.8%や平成25年度の51.8%と極端な難易度の年もありますが、おおむね25%~30%を超える合格率であり、6割以上の得点が狙いやすい科目と言えます。

 

平成26年度平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度
15.0%6.4%8.5%26.6%22.9%

 

※詳細はこちらをご覧ください。

 

余談ですが、科目別合格率には一次試験合格者は含まれておりません。平成25年度の一次試験合格率は21.7%ですので、7割以上の受験生が6割以上の得点を取れていたと思われます。(これくらいの難易度の年に当たれば良いんですけどね…。)

 

出題の傾向

・経営情報システムは1問4点×25問の形式で出題されます。

情報通信技術に関する基礎知識から約5割経営情報管理から約5割とバランスよく出題されます。

・単語の意味をストレートに問う問題が多く、知っているか、知らないかということが合否に直結します。

・毎年統計学の問題が1~2問出題されます。

 

二次試験との関連性

・経営情報システムは二次試験との関連性は殆どありません。

事例3でIT活用の知識が求められますが、これはCADやCAMといった運営管理の学習範囲の内容で、経営情報システムで学習するレベルの知識は求められません。

 

経営情報システムの学習方法

 

目安学習時間

・経営情報システムの学習目安時間は100時間です。

〔参考〕
私の平成29年度一次試験結果
学習時間:98.5時間
得点:68点(科目別合格率:26.6%)

 

学習のポイント

 

前半の情報通信技術に関する基礎知識で稼ぐ

・後半の経営情報管理は、ガイドラインや統計といった対策が難しい分野が出題されることや近年難化傾向にあることを考慮すると高得点を狙いづらいため、前半の情報通信技術に関する基礎知識でいかに得点を稼げるかということが重要になります。

 

基本はテキストの暗記

・経営情報システムでは知識の応用力は殆ど求められません

知っているか知らないかということが合否に直結しますので、どうしても暗記中心の学習になります。暗記が苦手な方も多いとは思いますが、何とか頑張りましょう。

 

分からなくても調べない

・学習を進める中で、理解できない、もう少し詳しく知りたいということもあると思いますが、経営情報システムの場合には、ネットで調べたり、専門書を見たり等テキスト以外の情報を求めることはお勧めしません。

・経営情報システムで必要な知識はITの基礎的な内容のみであり、それ以上の情報を知ってしまうとかえって混乱してしまいます。

理解できなくても割り切って単純に暗記してしまいましょう。

 

アルファベットは正式名称で考えた方が暗記しやすい

・経営情報システムではアルファベットが含まれる用語が多数登場します。(LECテキストの目次を確認したところ、200以上ありました…。)

・アルファベットを暗記する際には、略称ではなく正式名称で暗記すると効率的です。

 

例えば、システムの信頼性を評価する方法として、MTBFとMTTRというキーワードがあります。

MTBF:平均故障間隔

MTTR:平均修理時間

なのですが、分かりづらいですよね。

これらの正式名称は、

MTBF:Mean Time Between Failures

MTTR:Mean Time To Repair

です。

いかがですか?

Between(間)とRepair(修理)でなんとなく意味が推測できませんか?

Bがあったら間隔、Rがあったら修理!

この区別ができるだけで正答できる問題が過去に出題されています。

・この他にも経営情報システムでは、知っているだけで正答できるという問題が多く出題されていますので、効率的に暗記を行いましょう。

 

ガイドラインは捨てる

・毎年1~2問は情報技術に関するガイドラインから出題があります。

ガイドラインの内容を把握していないと正答することができませんが、ガイドラインは数十種類あるうえに、かなりマイナーなガイドラインからも出題されますので、対策を行うことは非効率的です。

・以下の頻出ガイドラインの概要をざっくりと押さえ、それ以外のガイドラインが出題された場合には割り切って勘でマークしましょう。他の受験生も正答できません。

 

【重要ガイドライン】
・ISMS
・ITIL
・ITSMS
・共通フレーム2013
・SLA

 

学習するのはあくまでも「概要」です。

 

統計問題は捨てる

・統計問題も毎年1~2問出題されます。

・大学で統計学を専攻していた方等、もともと知識がある方以外は対策が困難です。

・検定の名称と概要だけ押さえ、それ以上の内容が問われた場合には、気にせず次の問題に進みましょう(だいたい最後に出題されますが…。)。

 

【押さえておくべき検定】
・t検定
・x2(カイ2乗)検定
・F検定
・2項検定
・ウェルチ検定
・Z検定

 

ITパスポートは不要

・経営情報システムと出題範囲が似ているということで、受験対策としてITパスポート試験の勉強が推奨されることがありますが、ITパスポートの学習は不要です。

※詳しくは、後日記事をアップします。

 

必要教材

テキスト

過去問(過去5年程度)

 

おすすめ副教材

経営情報システムでは特におすすめの副教材はありません。

 

経営情報システムは、ITや暗記が苦手な受験生にとっては苦しい科目ではありますが、暗記さえすれば確実に6割以上の得点が狙える科目です。

重要度の高い分野を中心に、効率的な暗記を心掛けましょう。

 

※経営情報システムの重要度一覧表は以下でまとめています。

 

参考になれば幸いです。試験勉強頑張ってくださいね!